横長動画のズームトランジション作成方法を紹介している動画やWebサイトは多くありますが、縦長動画での作成方法を公開している人が見つけられなかったので記事を書きました
と言っても横長動画とほとんど一緒なので、ズームトランジションを作ったことがある人は『ミラーの設定』だけ見てもらえれば解決すると思います
下の動画のようなトランジションが作れます
この記事に書いてあること
Tik TokやInstagramのReelなどで使われているようなズームトランジションの作り方
調整レイヤーの作成
調整レイヤーは下層の映像にエフェクトをつけることができます
調整レイヤーを作成する理由
・コピペで多用できる
・保存して他の動画に使える
・エフェクトを使っている場所がわかりやすい
・削除するだけでエフェクトを消せるため、変更しやすい
1.プロジェクトパネルの新規項目から調整レイヤーをクリック
2.そのままOKをクリック
プロジェクトパネルに新規レイヤーが作成されます
3.繰り返してもう1つ作成
わかりやすくするため、ここでは2つ調整レイヤーを作成しています
コピペなどで複製してもOKです
2つ作成する理由は、1つにズーム効果、もう1つに複製&ミラー効果をつけるためです
ファイル > 新規作成 からも作ることができます
4.ドラッグアンドドロップでシーケンスに配置
5.繰り返して2段に配置
ショートカットキーを使って作ってもOKです
(ショートカットキーを使う場合:シーケンス上でAlt(Macはoption)を押しながらクリック&ドラッグ)
6.調整レイヤーの長さを変更する
効果をあたえる長さを決めます
私が調べた解説サイトなどは6~12コマ(フレーム)で設定することを薦めています
サンプルでは6フレームに設定しています
これで調整レイヤーの作成は終了です
複製&9分割
次に 映像にエフェクトを適用していきます
前半「桜.jpg」後半「かも.jpg」のうち、後半の「かも.jpg」(下段の調整レイヤー)にだけ 【複製&9分割&ミラー】 エフェクトを適用します
ミラーは次の項目で実施しますが、最終形を表現するため一緒に解説しています
わかりにくくて申し訳ないのですが、【複製&9分割&ミラー】を適用した完成形が次の画像です
この編集をやる理由は、ズームしたときに背景色が表示されてしまうことを防ぐためです
これをやらないと不自然な画面切れがおきてしまいます
1.下の調整レイヤーにドラッグアンドドロップで複製を適用する
エフェクト > ビデオエフェクト > スタライズ > 複製
エフェクト部分のアップ
複製を適用すると、右上のプログラムモニターの映像が4分割になります
2.カウントを『3』へ変更する
『3』へ変更すると9分割になります
左上のソースモニターのアップ
ミラーの設定
複製された映像を次の数値で上下左右に反転させます
1080×1920の縦長動画の数値
反射の中心 | 反射の角度 | |
---|---|---|
上 | 360.0 640.0 | -90.0° |
下 | 720.0 1279.0 | 90.0° |
左 | 360.0 1280.0 | 180.0° |
右 | 719.0 1920.0 | 360.0°(1x0.0°) |
1.下の調整レイヤーにドラッグアンドドロップでミラーを適用する
エフェクト > ビデオエフェクト > ディストーション > ミラー
エフェクト部分のアップ
2.ミラーを全部で4つ作る
3.各ミラーに数値を入力する
1080×1920の縦長動画の数値
反射の中心 | 反射の角度 | |
---|---|---|
上 | 360.0 640.0 | -90.0° |
下 | 720.0 1279.0 | 90.0° |
左 | 360.0 1280.0 | 180.0° |
右 | 719.0 1920.0 | 360.0°(1x0.0°) |
数値を入力した左上のソースモニターのアップ
トランスフォームのスケール設定
次にズームの設定をします
1.上の調整レイヤーにトランスフォームを適用する
エフェクト > ビデオエフェクト > ディストーション > トランスフォーム(下)
エフェクト部分のアップ
トランスフォームは2つあると思いますが、下のトランスフォームを使います
上のトランスフォームはスケールの高さと幅を別々に設定しなければならないためです
2.スケールのキーフレームを作成する
エフェクトコントロールのアップ
①上の調整レイヤーを選択し、クリップの先頭に移動します
②スケール横のアイコンをクリックしてキーフレームを作成します
①クリップの最後に移動して、②スケールを100→300に変更してEnterを押す
これでつなぎ目から前後6+6の12フレーム間で100→300%にズームされます
シャッター角度変更・スケール速度調整
最後に一定になっている変化速度などを変えて、自然で違和感の少ないズームにします
1.コンポジションのシャッター角度のチェックを外し、シャッター角度を360に変更する
次にズームする速度を変えます
下の画像が完成形です
クリップのつなぎ目が頂点になるように、だんだん早く徐々にゆっくりになるように速度を調整します
2.一時的に調整レイヤーのクリップを伸ばす
3.スケール横のアイコンをクリックする
4.アイコンをクリックして編集できる状態にする
矢印の位置のアイコンをクリックします
砂時計のようなアイコンはひし形になっているかもしれませんが気にしないでください
5.点をクリックしたまま水平に動かして山なりの状態にする
6.クリップの長さを戻す
これでSmoothZoomTransitionのエフェクトが完成です
作成した設定を保存する
最後に作ったエフェクトを保存します
1.クリップを選択し、設定をすべて選択する
2.右クリックして『プリセットの保存…』をクリックする
3.名前をつけて保存する
私がつけた名前
1080×1920 – ZoomTransition – トランスフォームプリセット
保存される場所はエフェクトの中のプリセットです
4.同じ要領で複製・ミラーも保存する
名前:1080×1920 – ZoomTransition – 複製・ミラー プリセット
名前の変更もできます
使う場合は他のトランジションと同じでドラッグアンドドロップでOKです
まとめ
ミラーの数値を以下にまとめました
Reel動画を作成する際のシーケンス設定は、次の画像の通りです
(参考サイト(英語):How to export from Premiere Pro to Instagram)
サンプル動画はエフェクトをコピペして以下のように作成しました
BGMはYouTube Studio 、効果音は効果音ラボを使用させてもらいました
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